意見：バイブコーディングとは何でしょうか？なぜみんながこのトレンドを採用しているのでしょうか？

新しいAIツールの開発のおかげで、「バイブコーディング」の動きが広がっています。Andrej Karpathyがこの概念に定義を与えた後、今では一度もコードを書いたことがない人々でさえもウェブサイトやアプリを作成していますが、それはリスクも伴います。

テクノロジー界に新たな流行語が現れました：バイブコーディング。

この用語は、ソフトウェアエンジニアやプログラマーの間で一般的であり、より広範な聴衆に広まりつつあります。この慣行は、AIモデルの助けを借りてプロンプトからコードを作成することであり、見出し、フォーラム、ソーシャルメディアのやり取りで大いに取り上げられています。

GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は最近、ウェブサイトを作成しながら趣味でvibe codingを行っていると述べました。FigmaやAnthropic、Mistralといったテック企業は最近、vibe codingに最適化された製品を発売しました。そして、正式なエンジニアリングの訓練を受けていない人々もすでに自分自身でアプリや他のデジタル製品を立ち上げています。

「数週間前にReplitでVibe Codingをやっていました。つまり、あなたがウェブ上で作り出すことができる力、それを開発者に我々が与えていないのは25年になります」ーSundar Pichai pic.twitter.com/Bbfi8I5WX8

— Amjad Masad (@amasad) 2025年6月3日

バイブコーディングは魔法のようで楽しそうに聞こえますが、技術コミュニティでは複数の問題が提起されています。ソフトウェア開発者の未来や、エントリーレベルのコーディング職の機会が急激に減少するという懸念の上に、専門家たちは人工知能によって生成されたコードに見つかる脆弱性とリスクについて警告しています。

これが2025年のバイブコーディングについて皆さんが知っておくべきことです：

バイブコーディングとは何ですか？

バイブコーディングは数年前に初期のジェネラティブAIシステムがリリースされて以来存在しています。これは、OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaude、またはGoogleのGeminiなどの先進的なAIモデルを使用してコードを開発し、修正し、実行し、プレーンスピーチプロンプトから新しいプロジェクトを構築するという実践を指します。

IBMによると、この分野では、ユーザーは「まずコードを作成し、後で洗練させる」という考え方を取り入れ、テクノロジーが適切と判断するようにクリエイティブなアイデアを開発し、後でそれを最適化します。この実践が人気を博し、ソフトウェアを構築するための戦略を採用する人々が増えた結果、GitHub Copilot、Cursor、ReplitなどのAIコーディングアシスタントを提供する企業が増えています。これらは皆さんのコード作成の旅をサポートするためのものです。

Karpathy氏、この用語の創設者

この習慣に名前と定義を与えたのは、数ヶ月前の2月に、OpenAIの共同創設者でありEureka Labsの創設者でもあるAndrej Karpathy氏でした。

「私が”バイブコーディング”と名付けた新しい種類のコーディングがあるんです。それは完全にバイブに身を任せ、指数関数を受け入れ、コードが存在していることさえ忘れることです」と、ソーシャルメディアプラットフォームX上でコンピューターエンジニア兼科学者が書いています。「それが可能なのは、LLM（例えば、Cursor Composer w Sonnet）があまりにも優れているからです。」

Karpathyは、彼がキーボードに触れることなく、AIとのインタラクションに音声機能を使用できる場合もあると説明しました。「最もばかげたことでも」要求します。このコンピューターエンジニアは、この方法が完璧ではなく、AIモデルが間違いを犯すことを認めていますが、それでも彼はAIが何をしているのか完全に理解していなくても、さらにコードを書かせ、バグを認識しないことがあるため、修正を提案します。

「それは手軽な週末のプロジェクトにとっては悪くないし、それなりに面白い」とカーパシーが付け加えました。「私はプロジェクトやウェブアプリを作っていますが、それは本当のコーディングとはちょっと違います。物事を見て、言って、動かして、コピー＆ペーストするだけで、ほとんどうまくいきます。」

バイブコーディング革命

バイブコーディングの採用は、過去数週間で急速に増加していると見られます。全ての人々と全ての企業が今ではこの方法を取り入れ、「遊び」ながら以前は優先されなかったソフトウェアを構築しています。それは開発にかかる時間が長すぎたからです。

企業はアイデアを探求するための手法としてこのテクニックを導入しており、新たなスタートアップもバイブコーディングから生まれています。Anthropicは最近、ニューヨークで初めての「バイブコーディングマラソン」を開催し、クリエイティブなビルダーたちは探検可能な3Dの古代世界や、マンダリン学習ゲーム、ダンシングヌードルなどを開発しました。

私たちはこの週末、NYCで@socraticainfoと50人以上のクリエイティブなビルダーと共に、初めてのクロード・クリエイト・ア・ソンを開催しました。

参加者が数時間でアーティファクトを使って作り上げたものをご覧ください：

— Anthropics (@AnthropicAI) 2025年6月3日

Yコンビネーターのパートナーであり、コーディングもこなすTom Blomfield氏は、AIで書かれたコードを持つ企業を支える投資家たちの理解を得ています。彼自身がどのようにしてビブコーディングを行ってきたのかを説明しました。Blomfield氏はRecipe Ninjaというウェブサイトをわずか数日で構築しました。

「それはおそらく3万行ほどのコードです。それを作るのに私がかかったのは、どれくらいだったでしょう、1年かもしれません」と彼はNPRとのインタビューでバイブコーディングについて話した。「一晩で出来上がったわけではありませんが、おそらくそのために100時間ほど費やしました」

Y Combinatorは最近、スタートアップのBONDに50万ドルを投資しました。彼らはバイブコーディングを用いて数時間で「CEOや忙しいエグゼクティブのためのAIチーフ・オブ・スタッフ」を開発しました。

3月に、Y CombinatorのCEO、Garry Tan氏は、最新の冬のクラスのスタートアップの25%が、AIツールを使用してコードの95%を生成したと述べました。また、2024年のGitHubの報告では、ソフトウェア開発者、エンジニア、プログラマの97%がAIツールを使用してコードを書いていることが明らかになりました。

誰でもが今やコードを書けます

“バイブコーディング”のムーブメントは、人工知能の民主的な原則を強化しています。もはやソフトウェアエンジニア、開発者、プログラマだけがソフトウェアを作成するわけではなく、技術的な経験を持たない多くの人々も驚くべき結果を達成しています。

シンシア・チェンはその一例です。彼女は「Dog-e-dex」というアプリを、形式的なエンジニアリングのトレーニングなしに、ただ雰囲気でコーディングすることで一から作り上げました。数年前、彼女は犬の写真を撮ってそれを識別し、ユーザーがポケモンのように「集める」ことができるアプリのアイデアを思いついたのです。しかし、当時はそれが大変な作業でした。

今年、わずか2ヶ月で彼女はそのアプリを作り上げ、現在ではApp Storeでダウンロードすることができます。「まるで魔法のようだった」と彼女はビジネス・インサイダーとのインタビューで語りました。「プレビューボタンを押すたびに、ワクワクする小さなプレゼントが開ける感じだった」

🐶 DOGEDEXがアプリストアに登場 🐶

https://t.co/Y8tJb06Upv

Ty @AnthropicAI 私のコーディングの夢を叶えてくれてありがとう!!! pic.twitter.com/fwqygIJ31G

— Cynthia (@yescynfria) 2025年3月25日

技術的な面ではないもう一つの例は、エアナ・ケリーさんです。Siftedのテクノロジー記者で、「実際にはあまりテクノロジーに詳しくない」と自己紹介していますが、彼はただの気分でコーディングをして1週間で4つのウェブサイトを開発することができました。

楽しみながら、わずか数時間でシンプルなウェブサイトを開発できるにも関わらず、ケリーは低品質のコードについて警告し、将来的には「使い捨てで粗悪なものが溢れる」“デジタルの穴埋め地”が出現すると予測しています。

しかし、低品質の製品が溢れることは最も深刻な問題ではありません―他にも、専門家たちがさらに懸念するリスクがあります。

Vibe Codingのリスクとその結果

「バイブ・コーディング」には多くの懸念とリスクが取り巻いています。その一つは、ソフトウェア開発に従事するプロフェッショナルたちの未来です。テック採用を追跡する会社であるSignalfireは、2024年にエントリーレベルのコーディングポジションが24%減少したと報告しています。

テックジャイアントたちは、大量のコードがAIツールを使って書かれていることを公表しています。GoogleのCEOは最近、「会社のコードの30%以上」がAIによって生成されたものであると述べました。これは、Microsoftが公表したパーセンテージと同じです。そして、Amazonは昨年、AIが「開発者4500人年分」を節約したと発表しました。

しかし、もう一つの懸念事項は、AIシステムがそのコードで生み出すことのできる安全性と脆弱性です。

バイブコード化されたコードベースに蓄積されるエラーや雑多な部分 – 間もなく新しい役割が生まれるでしょう、それはバイブコードデバッガーと呼ばれるものです

— sankalp (@dejavucoder) 2025年6月9日

安全性の低いコード

AIモデルが「魔法のような」結果を生み出すことができますが、人間と同様にこの高度な技術も間違いを犯すことがあります。AIのコードにも脆弱性が含まれており、専門家たちはこれについて警告を発しています。

一群の開発者たちは、正しいコード生成と脆弱性のフラグを分析するためのベンチマークであるBaxBenchを作成しました。最近の報告では、最も人気のあるAIモデルが生成したコードの62%が脆弱性を含んでいたり、間違っていたりしたと専門家たちは指摘しています。

「LLMsはまだ実際にデプロイ可能なコードを生成することができません」とウェブサイトに記載されています。「平均的に、正解の解答の約半分が安全性に問題があり、現在の評価や指標がコードの正確さにだけ焦点を当てていることに対する懸念が高まっています。」

懸念すべきケース

多くの人々がvibe coding（ビブコーディング）で楽しみながら作成しているゲームやウェブサイトは、まだあまりリスクが高いわけではありません。実際の問題は、ユーザーのデータを収集しようとするときや、サイバーセキュリティの経験がほとんどまたは全くないときのようです。

ソーシャルメディアプラットフォームXの人気ユーザーであるLeoは、自身の学習過程を共有しながら、Vibeコーディングを行い、その作品をオンラインで披露していました。LeoはCursorを使ってソフトウェア・アズ・ア・サービス（SaaS）アプリケーションを構築し、それでお金を稼いでいると言っています。

「私のsaasはCursorで構築されました、手書きのコードはゼロです」と彼は書いています。「AIはもはや単なるアシスタントではなく、建築家でもあります。今、あなたはそれについてぐちぐち言い続けることもできますし、建築を始めることもできます」

my saas was built with Cursor, zero hand written code

AIはもうただのアシスタントではなく、ビルダーでもあります

今、あなたはそれについて愚痴を続けることも、建設を始めることもできます。

追伸：はい、人々はそれに対してお金を払います

— leo (@leojr94_) 2025年3月15日

残念ながら、彼の投稿はバイラルとなり、アプリの脆弱性を悪用することを決めた悪意あるウェブユーザーの目に触れることとなりました。わずか2日後、レオは自身が攻撃を受けているという別の投稿を共有しました。

「みんな、私は攻撃を受けています」と彼は書き込みました。「ご存知の通り、私は技術的なことは得意ではないので、これを解決するのに普段よりも時間がかかっています。」レオは一時的に自身のアプリをシャットダウンする必要がありました。

レオのケースは、バイブコーディングがどのように誤って行われる可能性があるかを示す一例ですが、これは孤立したケースではありません。ハッカーは、CopilotやCursorなどのAIツールの脆弱性を利用して、さまざまな方法で不安全なコードを作成するリスクと可能性を高めています。

大きな未来が待っている

「バイブコーディング」の技術は魔法のようでパワフルに感じますが、まだ完璧ではなく、まだ道のりは長いです。これまでに、この練習法の可能性とリスクを両方示すことができたケースはほんの一部であり、進行中および今後のプロジェクトがどのように進展するかを見る必要があります。その可能性と範囲についてよりよい明確さを得るために。

「バイブコーディング」の使用と未来については議論がありますが、まだ非常に初期の段階にある運動のようです。業界をリードする企業がリリースする最新の先進的なAIツールとシステムを考えると、それはさらに発展し続け、良いか悪いか、間もなく驚くべき創造物を見ることになるでしょう。

ソフトウェア開発者、そして世界中のほとんどの職業の就職の見通しは確かに懸念と不安を引き起こしますが、「バイブコーディング」に対するより楽観的な視点も可能です。一部の専門家は、コードがますます安全になり、希望的には、より技術的な経験を持つ人々が目立つ新しい役割が出現すると信じています。